
ハイクラスなホテルのスイートや、モデルルームで見かける「ラグジュアリーモダン」。
大理石や真鍮の重厚感と、すっきりした直線のデザインが合わさった、大人っぽい空間です。
ところが、いざ自分の部屋で真似してみると「なんだか冷たい」「派手すぎて落ち着かない」と感じる方も少なくありません。
ラグジュアリーモダンは、「高級感のある素材」と「モダンなシンプルさ」の2つを、ちょうどよい割合で組み合わせることで成り立つスタイルです。
つまり、この割合さえつかめば、派手になりすぎることも、無機質になりすぎることもありません。
この記事では、インテリアコーディネートを手がけるnicomadeが、ラグジュアリーモダンな部屋の作り方を解説します。
似たスタイルとの違い、よくある失敗の原因、配色・素材・家具・照明の4つのポイント、そしてリビング・寝室・ダイニングでの取り入れ方まで順にまとめました。
ラグジュアリーモダンとは?シックモダンとの違い

はじめに、ラグジュアリーモダンがどんなスタイルなのかを整理しておきましょう。
ここが曖昧なままだと、家具や色を選ぶたびに方向性がぶれてしまいます。
高級感のある素材と、モダンな直線を組み合わせたスタイル
ラグジュアリーモダンとは、大理石や真鍮、レザーといった高級感のある素材と、直線的でシンプルなモダンデザインを組み合わせたインテリアスタイルです。
重厚さとすっきり感が同居していて、ホテルのスイートルームのような落ち着いた上質さが出せます。
豪華なだけでも、シンプルなだけでもなく、その両方が釣り合っているのが特徴です。
シックモダン・ラグジュアリーとの違い
よく混同されるのが、シックモダンとラグジュアリー(クラシック寄りの高級スタイル)です。
シックモダンは、モノトーンを軸にした落ち着きと都会的な雰囲気が主役で、豪華さは必ずしも求めません。
一方、ラグジュアリーは、装飾や曲線、きらびやかさを前面に出すこともあるスタイルです。
ラグジュアリーモダンはその中間にあたり、高級素材は使いながらも、装飾はそぎ落としてモダンにまとめます。
「上質だけど、やりすぎない」というさじ加減が、ラグジュアリーモダンらしさを決めるポイントです。
| スタイル | 主役になるもの | 素材・装飾 | 印象 |
|---|---|---|---|
| シックモダン | モノトーンの配色 | 装飾は少なめ。素材は日常的なものでも成立する | 落ち着き・都会的 |
| ラグジュアリーモダン | 素材の質感 | 大理石・真鍮・レザーを使い、装飾はそぎ落とす | 重厚・上質・洗練 |
| ラグジュアリー(クラシック寄り) | 装飾とボリューム | 曲線・彫刻・ゴールドを多めに使うこともある | 華やか・豪華 |
ラグジュアリーモダンが失敗する3つの原因

ラグジュアリーモダンを目指して「なんだか違う」と感じるときは、たいてい原因が共通しています。
先にここを押さえておくだけで、仕上がりはかなり変わります。
豪華にしようとして「派手すぎ」になる
高級感を出そうとして、ゴールドや光沢素材、装飾を詰め込みすぎると、上品さが消えてかえって安っぽく見えます。
ラグジュアリーモダンの上質さは、足すことより引くことで生まれます。
豪華な要素は「盛る」ものではなく、要所に「効かせる」ものだと考えてください。
モダンにこだわりすぎて「冷たく」なる
反対に、直線とモノトーンだけで組み立てると、無機質で冷たい部屋になりがちです。
ホテルのスイートが冷たく見えないのは、ファブリックのやわらかさや、照明がつくる陰影でぬくもりを足しているからです。
そのため、シャープな空間の中に、あたたかみのある要素を一つは入れるようにしましょう。
質感の差がなく「のっぺり」する
似たような質感の素材ばかりを使うと、空間が平たく見えてしまいます。
ラグジュアリーモダンの奥行きは、異なる質感どうしの対比から生まれるからです。
硬い石とやわらかい布、光る金属とマットな壁といった組み合わせがないと、高級な素材を使っていても魅力が伝わりません。
ラグジュアリーモダンな部屋を作る4つのポイント

ここからは、上質さと洗練を両立させるための4つのポイントを解説します。
配色、素材、家具、照明の順に整えていくと、全体がまとまりやすくなります。
ポイント①:ダークトーンをメインに、メタリックは5%程度に絞る
配色は、チャコールグレーや濃紺、ブラックといった深みのある色をメインカラーに使うと、一気に大人っぽい重厚感が出ます。
そこに白やグレージュで抜け感を加え、ゴールドや真鍮、シルバーといったメタリックをアクセントとして5%程度だけ効かせます。
メタリックは、面積を絞るほど上品に見える色です。
ただし、部屋全体を濃い色で塗りつぶすと重く見えてしまいます。
壁の一面や、ソファ・ラグなど一部に濃い色を使い、残りは明るく保つと、重厚感と開放感のバランスが取れます。
狭い部屋なら、面積の大きい壁や床は明るい色のままにしておきましょう。
そのうえで、クッションやアート、家具の一部に濃い色を入れると、圧迫感を出さずにラグジュアリーモダンの雰囲気を楽しめます。
濃い色と明るい余白の両方があってはじめて、洗練された印象になります。
| 役割 | 面積の目安 | 色の例 | 使う場所の例 |
|---|---|---|---|
| ベースカラー | 約70% | 白・グレージュ・ライトグレー(広い部屋ならダークトーンも可) | 床・壁・天井 |
| メインカラー | 約25% | チャコールグレー・濃紺・ブラック | ソファ・ラグ・アクセントウォール・カーテン |
| アクセントカラー | 約5% | ゴールド・真鍮・シルバー | 照明のフレーム・テーブルの脚・取っ手・小物 |
ポイント②:石・ガラス・レザー・真鍮で質感の差をつける
ラグジュアリーモダンの格を決めるのは、素材選びです。
大理石や大理石調のセラミック天板、ガラス、レザー、真鍮やアイアンなど、質感の異なる素材を組み合わせましょう。
硬くつややかな石やガラスと、やわらかなレザーやベルベットを並べると、お互いが引き立って奥行きが出ます。
とくに効くのが、「光る素材」と「マットな素材」の組み合わせです。
真鍮やガラスの輝きは、そばにマットな壁やファブリックがあることで、より際立ちます。
逆に、すべてを光沢のある素材にすると落ち着きがなくなり、安っぽく見える原因になります。
ベルベットのクッションやウールのラグのように、光をやわらかく受け止める素材を一つ加えるだけでも、空間に深みが出ます。
すべてを本物でそろえる必要はありません。
天板や照明など目立つ一点だけ本物の素材を選ぶと、部屋全体が引き締まって見えます。
ポイント③:直線的な家具に、存在感のある主役を一つだけ置く
家具は、直線的でシャープな形のものを選ぶと、モダンらしさが出ます。
そのうえで、ゆったりしたL字ソファや彫刻のような照明など、存在感のある「主役」を一つだけ置くと、空間にメリハリが生まれます。
主役をいくつも置かず、主役と脇役の役割をはっきり分けることが、洗練された印象への近道です。
また、脚のあるデザインを選ぶと床が見える面積が増え、重厚な家具でも圧迫感が出にくくなります。
ポイント4:照明で「印影」と「輝き」を作る
ラグジュアリーモダンでは、照明が主役級の役割を持ちます。
天井の照明は控えめにして、スポットライトやフロアランプで光と影の差をつくると、空間に立体感と高級感が出ます。
さらに、メタリックやガラスに光を当てると、素材の輝きが引き立ちます。
電球は、2700〜3000K前後の電球色・温白色を選ぶと、落ち着いた雰囲気になります。
あわせて、演色性(Ra)が高いもの、目安としてRa90以上を選ぶと、石や木、レザーの色が自然に見え、素材の良さが伝わりやすくなります。
照明の配置については、下記の記事でも詳しく解説しています。
【場所別】ラグジュアリーモダンの取り入れ方

4つのポイントをふまえて、場所ごとの取り入れ方を見ていきましょう。
部屋全体の印象を大きく左右するのはリビングなので、まずはリビングから整えるのがおすすめです。
■リビング
ダークトーンのアクセントウォールやラグをベースに、ゆったりしたレザーやファブリックのソファを合わせます。
大理石調のセンターテーブルを置き、真鍮フレームのフロアランプで陰影を添えると、ホテルのラウンジのような雰囲気になります。
壁にはアートを一点だけ、余白をとって飾ると洗練された印象になります。
ソファは、座面が低めで横のラインが強調されたデザインを選ぶと、部屋が広く落ち着いて見えます。
クッションは、レザーやベルベットなど質感の違うものを2〜3個に絞り、色はベースになじませましょう。
テレビボードは、脚付きで浮いて見えるものや、つやのある面材のものを選ぶと、モダンな印象が加わります。
そして、配線や生活感の出る小物はできるだけ隠し、余白を残すことを意識してください。
■寝室
寝室は、ラグジュアリーモダンの重厚感がもっとも映える場所です。
ダークトーンのファブリックやレザーのヘッドボードでまとめ、ベッドの両脇に同じデザインのランプを置いて左右対称にすると、スイートルームのような佇まいになります。
さらに、上質な寝具とやわらかな間接照明を組み合わせれば、落ち着いて眠れる大人の寝室になります。
■ダイニング
ダイニングでは、石やガラスの天板のテーブルに、レザーやベルベットのチェアを合わせると、一気に上質になります。
テーブルの上に彫刻のようなペンダントライトを一つ吊るすと、それが主役となって空間が引き締まります。
食器やグラスも質感のあるものを選ぶと、ふだんの食事の時間までホテルのダイニングのような雰囲気になります。
賃貸・予算を抑えてラグジュアリーモダンにする方法

「大理石や本革は高くて手が出ない」とあきらめる必要はありません。
最近は、大理石調のセラミックやメラミン、合成皮革、真鍮風の金物など、手ごろな価格で質感を再現したアイテムが増えています。
目立つ一点だけ質感にこだわり、ほかは質感を再現したアイテムで補う、メリハリのあるお金の使い方で十分にラグジュアリーモダンは成立します。
賃貸なら、貼ってはがせるダークトーンの壁紙や、置くだけのフロアランプを使えば、壁に手を加えずに重厚感を出せます。
ただし、貼ってはがせる壁紙も、もとの壁の素材によってはきれいにはがせないことがあります。
目立たない所で試してから貼り、退去時の扱いは管理会社にご確認ください。
まずは電球を電球色に替える、クッションカバーをベルベットやレザー調のものにする、といった小さなところから始めてみてください。
プロに相談するメリット|3Dシミュレーションで完成イメージを確認

「豪華さとすっきり感のバランスが、自分ではうまく取れない」と悩む方は多くいらっしゃいます。
ラグジュアリーモダンは、色や素材の配分が少し違うだけで「冷たい」にも「派手すぎ」にも転びやすいスタイルだからです。
そこでプロの視点が入ると、そのバランスを整えやすくなります。
nicomadeでは、3Dシミュレーションでお部屋を立体的に再現し、ダークトーンの配色や素材、照明を反映した完成イメージを、家具を買う前に確認できます。
「暗くしすぎて重くなった」「メタリックだけ浮いてしまった」といった後悔を、購入前に防げるのが大きなメリットです。
また、二級建築士をはじめとする空間デザインのプロが、素材の組み合わせから照明の計画までまとめてご提案します。
ヒアリングからご提案、お打ち合わせまでオンラインで完結するため、全国どこからでもご依頼いただけます。
3Dシミュレーションで確認できること
① ダークトーンを使ったときの部屋の明るさと圧迫感
② 石・レザー・真鍮など素材どうしの相性
③ 照明をつけたときの陰影と、メタリックの見え方
ラグジュアリーモダンに関するよくある質問

Q1. ラグジュアリーモダンとシックモダンの違いは何ですか?
A. 主役になるものが違います。
シックモダンはモノトーンの落ち着きと都会的な雰囲気が主役で、豪華さは必須ではありません。
一方、ラグジュアリーモダンは大理石や真鍮などの高級素材を積極的に使い、素材の質感で重厚な上質さを出すスタイルです。
Q2. ラグジュアリーモダンが派手になりすぎないコツは?
A. ゴールドや光沢素材を盛りすぎないことです。
メタリックは部屋全体の5%程度に絞り、ベースは落ち着いた色でまとめます。
装飾を足すより減らして余白を残すと、上品な高級感が出ます。
Q3. ダークトーンにすると部屋が暗く重くなりませんか?
A. 白やグレージュなど明るい色を組み合わせれば、重くなりにくくなります。
濃い色は壁の一面やソファ、ラグなど一部にとどめ、床や天井は明るく保つのが基本です。
また、照明で明るい場所をつくり、ガラスやメタリックで光を反射させると、暗さの中にも軽やかさが出ます。
Q4. 賃貸でもラグジュアリーモダンにできますか?
A. できます。
家具、照明、ファブリック、色使いだけでも十分に雰囲気は出せます。
貼ってはがせる壁紙や置くだけの照明、大理石調・真鍮風の手ごろなアイテムを使えば、壁に手を加えずに取り入れられます。
はがせる壁紙は、もとの壁の素材によってはきれいにはがせないことがあるため、目立たない所で試してから使いましょう。
Q5. ラグジュアリーモダンに合う照明の色は?
A. 電球色(2700〜3000K前後)か温白色(3500K前後)がおすすめです。
あたたかみのある光が、ダークトーンや石・レザーの質感を落ち着いた印象に見せてくれます。
演色性はRa90以上を目安にすると、素材の色が自然に見えます。
まとめ|ラグジュアリーモダンは「上質な素材×引き算」で作る

ラグジュアリーモダンな部屋づくりで大切なのは、豪華に盛ることではなく、次のポイントを押さえてバランスを取ることです。
- ・ダークトーンをメインに使い、メタリックは5%程度に絞る
- ・石・ガラス・レザー・真鍮で質感の差をつける
- ・直線的な家具に、存在感のある主役を一つだけ置く
- ・照明で陰影と輝きをつくる
- ・装飾はそぎ落とし、余白と抜け感を残す
この型を押さえておけば、賃貸でも、予算が限られていても、上質で洗練されたラグジュアリーモダンの部屋は十分につくれます。
とはいえ、「豪華さとすっきり感のバランスを自分で取れるか不安」という方もいらっしゃると思います。
nicomadeでは、オンラインで完結するインテリアコーディネートを行っています。
お部屋の写真と間取りをもとに、配色・素材・照明のプランをインテリアのプロがご提案し、ご希望に応じて3Dシミュレーションで完成イメージも確認いただけます。
個人宅のほか、オフィス・店舗・民泊の空間づくりも手がけています。
ホテルのような上質でモダンな住まいを実現したい方は、まずはお気軽にLINEからご相談ください。
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